相手とやり取りしている最中は、まさか自分が特殊詐欺に遭っているなんて思いもよらないでしょう。
あるとき「詐欺かも」と思うまでは…。
詐欺かも?と疑い始めてもなかなか相手のことを詐欺師だと信じたくないですよね。だけど残念ながら詐欺なんです。
いくら「電話した」「職場の写真も送ってくれた」「来週会う約束してる」といっても、詐欺の要素が一つでもあればそれは詐欺です。
ここでは国際ロマンス詐欺、投資詐欺、FX詐欺、仮想通貨詐欺など、ネット上でのアプローチから詐欺師と繋がるパターンの詐欺を判定します。
以下の項目にYesかNoで進んでいくと自分が詐欺に遭っているかどうかわかります。
マッチングアプリやSNSでつながってしまったかどうか
多くの場合はリアルな出会いからではありません。※結婚詐欺やヤリモクは別ですよ。
1.怪しい人物とはマッチングアプリやSNSで出会いましたか?
Yes→詐欺の可能性あり、次の項目へ
No→リアルな出会いの場合は国際ロマンス詐欺系ではないと思います。
詐欺師が確認されているサイト一覧
![](https://deaitei.biz/wp-content/uploads/2021/01/url_fraud-160x90.png)
そのアカウントの人物は外国人の写真を使っているか
2.マッチングアプリやSNSでつながってしまったその相手は外国人ですか?
Yes→99.9%詐欺師です。次の項目へ
No→日本人なら国際ロマンス詐欺系ではないと思います。
主に中国、台湾、韓国、香港、マレーシア、欧州、アメリカという国籍を装っています。中身は中国人のパターンがほとんどです。
投資の話が出てきたかどうか
マッチングアプリやSNSでつながり、メッセージをやりとりし、LINEやWeChatなどに移行(または最初からメッセンジャーやインスタグラムのケースもあり)
その後、お互いのこと(詐欺師からの情報はすべて嘘)を知り、特に女性に対しては甘い言葉を連投し結婚やその先の未来を想像させ恋愛感情を抱かせます。
手口の流れはこちらも参考に
![](https://deaitei.biz/wp-content/uploads/2021/01/2685655_m-160x90.jpg)
3.家を買う、仕事しなくていい、一緒に稼ごう、など誘い文句は様々ですが、投資の話をされた。
Yes→100%詐欺師です。あなたがとるべきアクションは後述します。
No→このさきに投資の話が控えているかもしれませんので様子見です。
詐欺師から誘われる「投資」の内容
投資の内容はいくつかのパターンがあります。
- FX
- 仮想通貨
- オンラインカジノ(カーレース)
どういった内容であってもこれらの投資話は詐欺です。
具体的な手法もいろいろあるのでその一部を紹介します
FX、仮想通貨、オンラインカジノ(カーレース)詐欺の手口
ファーストステップとして典型的なのは
・偽サイトへのマイページ登録
・偽アプリのダウンロード
・MT4やMT5のアプリのダウンロード&登録
・GMOコイン、ビットフライヤー、バイナンスなど日本の仮想通貨取引所の口座開設 ※日本の取引所は決して怪しいものではありませんよ。
ここからお金を巻き上げる手法は以下の2つ
・詐欺師指定の「銀行口座」への送金
投資の会社なのになぜか個人名義のパターンが多いです。ちなみに私のケースは会社名義でしたが…。
・詐欺師指定の仮想通貨アドレスへの送金(ビットコインやUSDT)
仮想通貨アドレスなのでやろうと思えば追跡は可能です。
ざっとこんなところです。ここまでで「一つも当てはまらない」とすれば国際ロマンス詐欺師の類ではないでしょう。(他の詐欺かもしれませんよ。例たとえば「荷物送る」とか「大金預かって」とか)
それでも相手は詐欺師じゃないと信じたいときは
ここまで読み進めてもまだ相手が詐欺師だと信じられないと思う人もいるでしょう。
しかし残念ながら詐欺師です。詐欺師は巧みに信じ込ませる手口を知っています。あなたはいわば洗脳状態にあるのです。
実際にこれまで数百件の相談を受けてきて、その数パーセントは、それでも「詐欺師じゃない」と訴えてきます。詐欺師じゃない理由を写真を交えてたくさん教えてくれます。
しかし詐欺なんですよね…。
詐欺師じゃないと信じたい、その理由は以下です。一つひとつ紐解いていきますよ。詐欺師の手法は「すべて」論破できます。
投資(送金)したけど利益が出ている
「順調に利益が出ている」→その利益分は手元に出金できますか?
この場合の詐欺師の手口は2パターン
1.出金できない
サイトがなくなる、連絡がなくなる、ブロックされる、メールが一向に来ない、税金を支払うよう言われる、マネーロンダリングなどそれっぽい理由をつけて追加のお金が必要だと言われる。
これらが手口です。もちろん、追加で支払ったところで出金はできません。
2.少額の出金ができる
これは初期段階で、被害者が試しに10万~の少額で投資をしているときに、途中でわずかながら出金できることを証明して信じ込ませる手法です。詐欺師は1~2回ほど出金できることを見せてきます。
ただし投資(送金)した金額以上は出金できないパターンがほとんどです。※「10万送金して12万戻せた」ぐらいの微々たるケースはあります。
出金できることを信じて、そのあと大きなお金を送金してしまったらもう出金はできないパターンに陥ります。
相手と会う約束をしている
このパターンはまず会えません。なぜかというと数日前になると何かしらの理由をつけて必ず延期になります。たとえレストランの予約など具体的なプランを立てていたとしても、です。
その理由としてはどんなことでも言えてしまいます。急に出張、コロナで自主隔離、家族の見舞いなどいくらでも嘘はつけます。
空港に迎えに行くよ、と言ってもフライトの日時を教えてくれなかったり、教えてくれていたとしても必ず理由をつけてすっぽかされます。
相手の住所、職場も教えてもらった
そこまで教えてくれたら信用もしたい気持ちはわかります。
ただその住所に本当に住んでいるかは確かめようがないですし、その会社に在籍しているかも確認は難しいですね。
実際に他の被害者とのやりとりで得た情報や写真、ネットで拾った画像を使って言っているのです。
電話もした、なんならテレビ電話もした
これはなかなか手の込んだ手法です。
電話で日本語で話せたとすれば、日本語ができる中国人詐欺師が対応しています。英語や中国語で話されて会話が成り立たなかった、というケースもありますが、洗脳状態にあればそこはあまり疑うポイントにはならず、むしろ実際に電話できたという事実で信用してしまうことでしょう。
ではテレビ電話ですが、こちらは巧みに画像を合成した動画を流しているパターンです。
特徴としては短い時間で切られる。必ず相手からかかってくる(準備が必要だから)
最近では写真を動画化できるアプリもありますので、洗脳状態にあるときにそれを見せられたら信じてしまうのも仕方ありません。
怪しんだら本気で悲しそうだった/怒られた
詐欺師の常套パターンとしては、こちらが詐欺じゃないかと疑ったときの反応は、悲しむか怒るかのどちらかが多いです。
「こんなに君のことを愛しているのに、悲しい」
「何言ってるの?僕は君のことを考えてきたのに。もう連絡しないでください」
というようなパターンです。心理を巧みに読んできます。これは詐欺師グループ内にマニュアルがあるので、「こういうときはこういう返事をする」ということがパターン化されているのです。
相手が私のために資金を貸してくれた
投資するにあたって巧みに自己資金はいくらあるか聞いてきます。そして一定額の資金がアカウントにあれば「配当」「ボーナス」などという言葉や、資金が大きい方が利益も大きくなる、などと言いさらなる資金を振り込ませようとしてきます。
足りないと言えば、「じゃあ僕が君のためにxxx万円貸してあげるよ」と言い登録したアカウント内にその数字が反映されます。
中にはお金(ただの数字だが)を貸す代わりに裸の写真や動画を要求してくるケースもあります。
そこまでしてお金(ただの数字)を貸してくれたのだからと信じてしまう気持ちも理解できますが、残念ですがすべて嘘です。
詐欺師はただ数字をいじっているだけなのです。
投資のグループLINEに誘われて他の人が稼いでいる(ように見える)
詐欺師の中にはLINEやWeChatのグループやオープンチャットを作り、ターゲットをそこに誘い、他の人が稼いでいるところを見せることで信用させる手口です。
複数人が参加しているので、騙されていると思っていたのは自分だけだった、という疑念がここで薄まります。さらに、ここにはサクラ役で詐欺師仲間が数人混ざっており、あたかも「xx万円稼げた!」や「先生ありがとう」という発言をしたり、高級品や高級車の写真を載せ、あたかも買ったと思わせてきます。
もう一つのパターンは、結局この手の偽投資にお金を送金してしまうとどれだけ利益が出たといっても結局引き出すことができないので、ニセ投資ゲームで架空の利益の数字を出させて被害者(まだ気がついていない)を泳がせているパターンもあります。
- 国際ロマンス詐欺師 投資詐欺ニセグループLINE
- 国際ロマンス詐欺師 投資詐欺ニセグループLINE
- 国際ロマンス詐欺師 投資詐欺ニセオープンチャット
- 国際ロマンス詐欺師 投資詐欺ニセオープンチャット
詐欺に遭ったら行うこと
残念ながら振り込んでしまったお金を取り戻すことはほぼできません。
しかし、私への相談者の中には全額ではないにしろ100万円以上取り返した人も数人います。
「詐欺」だと気が付いたら行うことはこちらです
- 警察へ相談
- 銀行へ連絡
- 弁護士へ相談
- 詐欺師への返信はしない
- 詐欺師をマッチングアプリ内で通報
ケースごとに行うことは異なりますので以下を参考にしてください!
銀行口座やサイトへ送金してしまった
詐欺師が指定した銀行口座やサイトへ送金してしまった場合はこの2つをすぐに行いましょう。何よりもスピードが大事です。
・警察へ相談し「被害届」を受理してもらう&個人情報を悪用されることを防ぐ
・銀行へ詐欺に遭った旨を連絡し、振り込み先の口座を調査してもらう。詐欺師の口座にお金が残っていれば取り戻せる可能性があります。
・振込元の銀行へ連絡し組み戻しができるか尋ねる。送金自体を取り消せるかもしれません。
まずは以上のことを優先的に行いましょう。
その後は弁護士に相談もアリだと思います。ただし、被害額がそこまで大きくない(100万円前後)だと費用対効果は低いです。それよりも稼いだ方が良いでしょう。
弁護士もできることが限られています。海外の弁護士と連携してお金を取り戻すべく動いてくれるケースもありますが、相談料(数万円)と着手金(数十万円)、成功報酬(取り戻した金額の20%~)を考えるとかなりの費用がかかります。成功する可能性は低いですが…。
銀行の「振り込め詐欺ホットライン」へすぐに電話
振り込んでしまった口座が以下の銀行の場合、各銀行には「振り込め詐欺ホットライン」があります。すぐに電話をしましょう。
- 三井住友銀行
振り込め詐欺資金返還ホットライン
0120-950-136(受付時間:月曜日から金曜日9:00~17:00) - 三菱UFJ銀行
振り込め詐欺救済法照会ダイヤル
0120-860-413(受付時間:月曜日から金曜日9:00~17:00) - みずほ銀行
振り込め詐欺資金返還コールセンター
0120–233–862(受付時間:月曜日から金曜日9:00~17:00)
※いずれも土日祝日・年末年始を除きます。
仮想通貨で送金してしまった
この場合は弁護士でも取り戻すことがかなり難しくなります。日本の警察や弁護士はITでは世界でもかなり遅れているので…。とはいえ、警察へは相談した方がいいですね。
・警察へ相談し「被害届」を受理してもらう&個人情報を悪用されることを防ぐ
・民間の仮想通貨調査会社へ依頼する。この場合、被害届があると強いです。(調査費用は被害額の11%~)
・わずかな可能性を信じて弁護士に相談
その他できること
- 通報
- LINEを潰す
- SNSで発信
あなたを騙した詐欺師はあなたと同時に何人もの人とやり取りをしています。詐欺被害者を増やさないよう、詐欺師と出会ったマッチングアプリやSNSで通報を行ないましょう。
すでに退会しているなどでそれができない場合は、詐欺師のLINEを潰すことが効果的です。
私LINEのIDを送っていただければ潰せる可能性もあります。またはそういった技術を持っている人も探せばごまんといるので依頼するのも手です。
被害者の中には詐欺師のLINEのIDをなぜか個人情報などという理由で教えることができない、という言う謎な人もたまにいますが…。
SNSで詐欺師が使っているなりすまし写真を発信することも、新たな被害者を生まないためにも有効です。
簡単にまとめて書きましたが、詐欺に遭ってしまったらすぐに上記のことを行なってください。
警察への相談は意味がないのか?
「警察に行っても何もしてくれないから行っても意味はない」
という人もいますが、私はかなり意味がありましたし、お金を取り戻した人も警察に相談したから取り戻せました。
「意味ない」という情報を見て行かない判断をするのは自ら可能性を潰しています。
また「意味なかった」と感じた人は、①相談相手を間違ってしまった。②適切な説明ができなかった。この2点が原因だと思います。
警察の中には詐欺に詳しい人とそうでない人がいます。
詐欺担当部署の主任、という人が出てきて相談したら「マッチングアプリって何?」というレベルの人間が実際にいます。肩書だけで能力の無い人間がいる一方、親身に聞いてくれて何とかしようと動いてくれる人もいます。
警察への相談のコツは、「事前に詐欺担当の部署を聞いておく」こと、「詐欺に詳しい人に相談したい」、と伝えることです。
そして相談に行く前に、話すことを整理しておく、証拠となるものを用意していく、といったことも必要です。
どうかこの私のようにならないでほしいです
![](https://deaitei.biz/wp-content/uploads/2020/08/fraud1-160x90.png)
マッチングアプリによるロマンス詐欺・仮想通貨・FX投資詐欺被害者のLINEアカウントの新規登録は中止しました。
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